Coding Agentの代表的なツール
Coding Agent戦国時代
2025年以降、「Coding Agent」と呼ばれる AI 開発支援サービスが一気に増えてきました。従来のコード補完ツールとは異なり、最近の Coding Agent は「コードを書く」だけではありません。タスクを理解し、複数ファイルを横断して修正し、テストまで実行してくれます。
代表的なサービスとしては、Anthropic の「Claude Code」、OpenAI の「Codex」、Cognition の「Devin」、「Cursor」などがあります。
Devin は、2024年ごろに「AI Software Engineer」というコンセプトを大きく広めた存在でした。Cognition 社が開発したサービスで、「自律的にソフトウェア開発を進める AI」という世界観を強く打ち出し、大きな話題になりました。
その後、Anthropic が Claude Code を展開しました。Claude Code は、コードベース全体を理解しながら、CLI(ターミナルから文字で操作する仕組み)ベースで開発タスクを進められる点が特徴です。Anthropic がすごいところは、先ほどの MCP など、Coding Agent のプラクティスをどんどん打ち出し、それが業界標準となっているところです。
OpenAI の Codex も、近年大きく進化しています。もともと OpenAI は 2021 年前後から「Codex」という名前でコード生成モデルを展開していましたが、2025 年以降は “AI coding agent” としての方向性を強め、複数タスクを並列に進めるような形へと発展しています。
Cursor は少し立ち位置が異なります。Cursor 社が提供する AI ネイティブ IDE(コードを書いたり、実行したり、エラーを確認したりするための開発環境)であり、「AI エージェント」そのものというよりは、エディタと AI が深く統合されている点が特徴です。既存の VS Code(Microsoft が提供する代表的なコードエディタ)ライクな体験をベースにしながら、自然言語で編集指示を出したり、コードベース全体を理解させたりできるため、多くのエンジニアに広く使われています。
AI戦国時代のツール選定
これらのツールは本当に進化が速いです。昨日できなかったことが今日できるようになり、あるベンダーが対応した機能を、翌週には別のベンダーが実装している、ということも珍しくありません。まさに「AI 戦国時代」と言ってよい状況です。
そのため、「どのツールが絶対に正しいか」を決め打ちするよりも、常にアップデートを追いながら、自分に合ったツールを見つけていく姿勢が重要です。
一方で、エンジニアでない限り、すべての Coding Agent を使い分ける必要はありません。3つも4つも並行して使うよりは、例えば Codex や Claude Code のようなメインツールを1つ決め、その上で「これは便利そうだな」という新しいアップデートやサービスが出たときに試してみる、くらいのスタンスが良いかと思います。
また、実際の業務では「会社として許可されているか」も非常に重要です。特に企業利用では、セキュリティやデータガバナンスの観点から利用可能なツールが制限されることもあります。そのため、「自分に合ったツール」と「会社で利用可能なツール」の両方を踏まえながら、少しずつ触っていくのが現実的でしょう。
時にはうまく動かず、期待通りの結果にならないこともありますが、「試行錯誤しながらうまくいく方法を探してみる」「新しいリリースを待ってみる(数週間後には出てくることもあるでしょう。自分が課題感を持っているとリリースも目につきやすくなります)」という姿勢で取り組んでいきましょう。
なお、ここから先の実践では、Codex を例に取り上げて進めていきます。